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『宗教法人 実相寺』は、永代供養や霊園、葬儀を中心に、茨城県古河市の皆様をお手伝いしております。
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2025/10/05 14:28 ~ なし

『正法』に載りました

こんにちは。
彼岸も終わり、ようやく暑い日々が終わりました。
過ごしやすいとは言いますが、暑いような、寒いような毎日に調整が面倒だなと自分のわがままが出てしまいます。

さて、この度 年に4回発刊されます『正法』という冊子の中のコラムに私の法話が掲載されました。
お恥ずかしいところもございますが、皆様に楽しく読んで頂きたいと一生懸命に書きましたので、是非とも御一読下さい。



《リレー連載第32回》
 
進まない三輪車
 
令顛倒衆生雖近而不見(如来寿量品第十六)
 
顛倒の衆生をしていえどしか近しと雖も両も見ざらしむ
 
三輪車を漕ぐ姿
 
一歳になる娘のマイブームは三輪車。安全性も考えられ、車体の後ろにはレバーが取り付けられている。これを使って大人がコントロールできる仕組みだ。得意げに乗っている姿はとても面白い。キュルキュルと音を立てて、一生懸命に漕いでいる。スピードを出して気持ちよく走っているつもりだろうが、 大人にコントロールされて向かい風に対して走っているだけだ。順調な時だけではない。危なくなるとレバーが握られて止まる。急に進まなくなり、何か気付いたように後ろを振り返った娘の顔はムッとしている。転んで怪我をしないよう三輪車を止めたことに娘は理解していない。
 上手くいくのは自分の手柄。危険を回避したにもかかわらず、立ち止まった時は不平不満。なんとも自分勝手だ。
 
子どもに見る大人の姿
 
娘のわがままには呆れてしまうが、ここには大人も子どもも関係のない、誰しもが持つ素質を感じた。 思い通りにならないことの方が多い世の中。成功したとき「よくやった」と自分を誇らしく思う一方で、 不都合が続くと反省ではなく自分以外の改善を求めてしまう。このように、感謝するということはなかなかできない。
 お釈迦さまは「いつもそばにいて見守っているんだ。いい方向に向かうように導いているよ」と説かれている。ほとんどの人間が一生懸命に生きているが、そのうち多くが自分は幸せではないと思っている節がある。でも本当は、仏さまがあなたのレバーを握って優しく導いてくれているのだ。成功したのはもちろん努力の賜物だろうが、それだけではない。予想外の出来事はその先にある、さらなる不幸を防ぐため。ここで嘆いてばかりでは、三輪車を漕ぐ娘と変わらないのではないだろうか。
 名前も顔も知らない遠い昔の先祖、日蓮聖人、お釈迦さま。他にも沢山の存在が我々の日々支えてくれている。だから今のあなたがいる。
 
気付いた時
 
本当に大切な存在は気付きにくい。良くも悪くも大きな出来事が起こって、初めて気づく。
 本当の幸せとは何だろうか。それは人それぞれだろう。大切なものを失う前に、この存在に気付かなくてはいけない。毎日、身の回りでは様々な出来事が起こる。それも全てがあなたの為なのだ。自身の見たもの、聞いたもの、感じたものは仏さまからの贈り物。これを素直に受け止めることが大切。
 三輪車を漕ぐ娘を通して、仏さまの姿を見た。 ただいた教えをしっかりと受け止めて、今日も一生懸命に生きていこう。 



皆様にはこの文を通して何が残ったでしょうか。古河のお寺として、皆様の幸せ、霊園の皆様が喜んで下さるように、葬儀の参列の皆様、ご供養の方々の幸せを日々お祈りしております。


住職 拝

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